顎関節と第三の頭痛

関節(がくかんせつ)が悪い方ってけっこう多いんですよね。

私の少ない経験上ですが、肩首のコリ、頭痛などを訴える方のほとんどが顎関節に何らかのトラブルを抱えていらっしゃるように思います。

今回は肩こりや頭痛と顎関節の関係についてご紹介したいと思います。

顎関節(がくかんせつ)ってどこだろう?

【顎】って何やら難しい漢字ですよね。こちらは【顎=あご、がく】と読み、あごの関節、即ち【顎関節】(がくかんせつ)というわけです。

顎関節の具体的な位置というのは一般的にはちょっとイメージしづらいかもしれませんが、耳の穴の前あたりにあります。

※画像はウィキペディアより転載

耳の穴の前あたりにくぼみがあるのですが、そこを押さえて口を開閉するとカクンカクンと動く部位があります。そこが顎関節です。

顎関節と肩首のコリの関係

顎関節と肩首のコリ、頭痛が関連があると言われてもピンと来ない人がほとんどではないでしょうか???実は頭痛や肩こりと顎関節は深い関係があるのです。

顎関節は食物をかみ砕くときに活躍しているだけあって咀嚼筋(そしゃくきん)とよばれる強力な筋肉によって動かされています。

この咀嚼筋の疲労や硬結が側頭部のコリや痛みにつながったり、顎関節自体の運動に不具合を起こすことで顎関節周囲の筋肉(顎二腹筋や胸鎖乳突筋など首の前面を覆う筋)のコリの原因になったりします。

特に胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)は首の運動の8割ほどに関与する強力な筋肉です。

この筋肉がこると肩首痛の原因になったり、頸動脈を締め付けて頭痛の原因になることがあります。

咀嚼筋と三叉神経

咀嚼筋とは①咬筋、②側頭筋、③内側翼突筋、④外側翼突筋の4つを指し、これらを合わせて咀嚼筋群(そしゃくきんぐん)と呼びます。

これら咀嚼筋群に歯ぎしりや噛みしめが原因で疲労がたまってくるとかみ合わせが悪くなって顎関節自体に痛みを発したり、側頭部の筋肉(=側頭筋)が硬くなって頭を締め付け、側頭部痛の原因になったりします。

また、咀嚼筋群の支配神経(三叉神経)が刺激されて痛みを引き起こすことがあります。この三叉神経が影響しあっている大後頭神経(だいこうとうしんけい)という神経もまた、肩首のコリや頭痛の原因になるのです。

三叉神経と大後頭神経

顎関節を運動させる筋肉を支配しているのは三叉神経(さんさしんけい)の第3枝である【下顎神経(かがくしんけい)】という神経です(下図の黄色部分)。

※画像はウィキペディアより転載

この三叉神経は”みつまた”という名のごとく、①眼神経、②上顎晨鶏、③下顎神経の3つに分かれます。

この三叉神経のうち①眼神経は頭頂部大後頭神経(だいこうとうしんけい)という神経と連絡しあっており、お互いに影響しあうことも知られています(大後頭神経三叉神経複合体)

この大後頭神経は後頭部の生え際のあたりから配線が出てくる神経で、例えば眼精疲労が肩こりの原因となるように、肩首のコリと非常に密接な関係をもった神経なのです。

ちなみにこの大後頭神経への刺激は頭痛の引き金となることでも有名です。

大後頭神経・三叉神経症候群

上述のように三叉神経に由来する痛みが大後頭神経にも影響を与えて症状を誘発した状態を大後頭神経・三叉神経症候群といいます。

図 大後頭神経痛にかかわる神経(画=合同会社スリーペンズ/花谷光礼)より転載

大後頭神経・三叉神経症候群の主症状は、首から後頭部、頭頂部にかけての痛み、肩首のコリ、目の奥の痛みなどがあります。

また、大後頭神経痛と呼ばれる【後頭部 ⇔ 前頭部 ⇔ 頂頭部】と縦に動く頭痛があります。これは【第三の頭痛】と呼ばれ、緊張性頭痛でも片頭痛でもない頭痛がこれに分類されます。

顎関節症と顔立ちのカンケイ

余談ですが、顎関節に不調を抱えやすい方にはある特徴があると言われています。

これは当院へお越し下さった歯科医師の先生にご教示頂いた情報なのですが「顎がシャープな顔立ちをした方に顎関節のトラブルを抱えている方が多い」そうです。

ブラキシズム(Bruxism)といって、噛みしめや歯ぎしりをしている方に上述のようなお顔立ちをされている方が多いのだとか・・・。歯科医師の先生は患者の顔立ちを見た瞬間に顎関節の不調を予測するそうです。

トシ デンタルクリニックの大塚俊郎先生、その節はご指導ありがとうございました!!!

最後に

「大後頭神経・三叉神経症候群」は、三叉神経・第1枝(眼神経)に関連するものが多いと言われ、第2枝(上顎神経)および第3枝(下顎神経)からの影響は比較的少ないと言われています。

本文では顎関節(=下顎神経)と肩首のコリ、頭痛との関連をご紹介してきましたので、このようなご紹介の仕方はいささか紛らわしかったのでは?と反省・・・。

かたや、顎関節ならびに咀嚼筋群へのアプローチが肩首のコリや頭痛を緩和していることは臨床経験上、患者様の反応から見ても明らかであり、決して無意味ではないと感じております次第です。

筋肉や関節は単体で成立しているわけではなく、近接した筋肉・関節・組織は相互に関係性を持っていることが多いです。

今回はご紹介しきれませんでしたが、筋膜を介した繋がり【アナトミー・トレイン】などにも顎関節ケア、そして顎関節を介した肩首のコリ、頭痛のケアにヒントが見出せるように思っています。

筋膜へのアプローチやアナトミートレインについてはまた改めてご紹介したいと思います。

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