セルフメディケーションと「からだコンサルティング」

回は姿勢矯正の事例をご紹介させて頂きます。

画像向かって左が施術前、向かって右が施術後の画像となります。

恐れながら、画像の縦横に十字にラインを引かせて頂きましたが、①肩の高さ、②お顔の位置など傾きがあるのが視覚的にわかると思います。

(※厳密には顎関節のポジション、頚椎のカーブ、肋骨の間隔、背骨のライン、骨盤・仙腸関節のアライメントなどもおかしくなっています)

当院では施術によって身体の歪みを修正させて頂くのですが、それではこのような状態になると一体どんな問題が発生してくるのでしょうか?

以下にご紹介させて頂きます。

体の歪みは様々な痛みや不調の原因になる。

体の歪みが発生すると一体どのようなことが起こるのでしょうか?詳しい説明はここでは割愛させて頂きますが、おおよそ以下のような不調が発生してくる可能性があります。

①筋肉や関節の痛み

②手足のしびれ

③頭痛や吐き気

④内蔵機能の不調(便秘などの消化不良も含む)

⑤不眠や耳鳴り

⑥うつなどの精神症状

⑦筋力やバランス力などの身体能力の低下

⑧呼吸力の低下

などなど・・・。

こうして列挙してみるとあらゆる病気が起こってくることになります。

それではその原因とメカニズムとは何なのでしょうか?

歪みによって体内では一体何が起こっているのだろう?

人体は非常によく設計されていて、例えば神経、血管などは見事なまでにその配線が通過する位置が決まっていたりします。

即ち、体の歪みは神経圧迫関節のかみ合わせの不具合を発生させてしまうのです。

あまり喩えが適切ではないかもしれませんが、人間を建物や車などの機械と仮定するとどうでしょうか。建物や車が地震や事故などの衝撃で傾いたりひしゃげてしまったりすると、中に納まっている部品や配管がつぶれたりねじれたりして機能不全を起こしてしまいます。

建物であれば電線が断線して停電してしまったり、車であればフレームが曲がって真っすぐ走れなくなったりすることでしょう。

人体でも同じようなことが起こります。歪みによって神経が圧迫されれば手足の痺れや内臓の不調を起こしますし、筋肉や関節に影響が出れば痛みが出たり動きが悪くなってしまうというわけです。

神経は脳からの指令を臓器や筋肉などの体の各組織に伝える非常に重要な組織です。そこに圧迫が発生するという事は、人体にあらゆる機能不全が発生してくる原因となり得るのです。

体の歪みの原因とは?

大雑把に言うと、姿勢の歪みは筋肉の作用によって発生します。

無論、関節軟骨の変形や疾患による骨自体の変形も原因となりますが、日常レベルの身体の歪みの原因の多くは筋肉の働きによるものです。

筋肉がなぜ存在しているのかというと理由の一つに関節を運動させるという働きがあります。

筋肉という運動器があって初めて骨格や関節が運動することが出来ます。即ち、上の画像のように骨が単体で動くことは不可能なのですね。

言い方を変えれば筋肉のコンディションによって、関節の状態はいくらでもおかしくなってしまいます。

疲労による筋肉の硬結や生活習慣による身体のクセ、あるいは痛みをかばうことによる逃避姿勢などなど・・・。体の歪みを作る原因は数多く存在するのです。

ほぐし処くさなぎのアプローチ

当院では施術のビフォア・アフターに検査を行い、筋肉のコンディション、姿勢の歪み、関節可動域などなど・・・多方面からのアセスメントを行わせて頂いております。

また、お身体の歪みというのは一過性の疲労ばかりで形成されるものではなく、患者様ご自身の生活習慣などにも原因があるケースが非常に多いです。よって、生活習慣や行動パタンの分析とそれらに対する対策など、コンサルティング的なアプローチが必要になってきます。

そういうのは別に要らないから体をほぐして楽にして欲しい!というご要望の方にはその限りではありませんが、特に深刻なご症状でお困りの方にご相談頂いた場合、当院では【からだコンサルティング】という形で包括的なサポートを行わせて頂いております。

からだコンサルティングとは?

この言葉は私が勝手に作った言葉なので初めて聞く方も多いと思います。

結論から申し上げますと【からだコンサルティング】とは、技術による一時的な施術のみではなく、

①患者様の生活習慣、行動パタン、身体の特性について分析し、どのようなアプローチが有効なのかを段階的に選定していく施術スタイル

②患者様にあったセルフケア方法の用意・提供・指導

のことを指します。

からだコンサルティングとセルフメディケーション

私自身、自分がもともと病人だったので、それなりにいろいろな治療を受けてきた人生でした。

それに加えて病院臨床で心理カウンセラーをしていた頃に薬物療法を目の当たりにしてきた経歴があるからか、「医薬品を含め、在宅でも患者自身が自分で自分を治療できる手段を用意・確立できないと問題解決は厳しい」という考えに至ったのです。

(※柔道整復師の他にも登録販売者(漢方薬等の第二類までの医薬品取り扱い資格)を取得・所有しているのもそのためです)。

ようは固定もせずに骨折の患者さんを家に帰してはいけない・・・という感じでしょうか。施術によって実現できるのは【人工的に身体が治りやすい状態を一時的に作り出す】ことに他ならないために、言い方を変えればすぐにまた元の病気の状態に戻ってしまうのです。

それではどのようにして対策を打てばよいのでしょうか?

上述の骨折の固定法よろしく

【最低限、これ以上は悪くならない状態にしなくてはならない】

そして

【それは患者自身が在宅でも自分自身で簡単に再現・実践できる方法でなければならない】

わけです。

このように「患者本人が自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」WHO(世界保健機関)ではセルフメディケーションという名称で定義しています。

医療保険制度の限界が危惧されている現代、セルフメディケーションという価値観は非常に需要なものであると言って過言ではありません。

最後に

私が人生の中でも最も調子が悪かった10代の頃、、身体の施術+簡単に実践・再現可能なセルフメディケーションの方法を同時に与えてくれた先生はいませんでした。

病院へ行けば薬だけしか出てこず、整体院へ行けば身体の施術しかしてもらえないのですね。

私は病院や治療院にいるとき以外はいつも不安で「家に帰ったら助けてくれる先生はいない・・・」「またすぐに調子が悪くなったらどうしよう・・・」とおびえていました。

先生方に「どうすれば?」と泣きつく私に与えられたアンサーの多くは「当面は通院してもらって様子を見るしかない」「筋肉をつけろ」「猫背をなおせ」「仕事を変えてみたら?」「気にしすぎだから精神科へ行きなさい」などといった簡単に実現ができないことが多く、未来の見通しがイメージできないものばかりでした。

私が治療院の外でも患者様がご不安にならないよう方法や手段を用意・提供したいと考えたのはそういった人生経験+そういったアプローチで自分自身の身体が回復したからです。

今こうして同じような苦悩を抱えた方々に対してお手伝いができることを幸せに思うとともに、もし私と同じような苦悩を抱えた方の助けに私がなれたらこれ以上の喜びはありません。