筋トレが睡眠の質を高める

力トレーニングが睡眠の質を高めるということが医学的に解明されたそうです。

これまでジョギングなどの有酸素運動については睡眠に対してよい影響を与えるというエビデンスがありましたが、いわゆる筋力強化や筋肥大を狙った筋トレ(レジスタンス・トレーニング)についてのエビデンスは示されてきませんでした。

そんな中、2017年7月にカナダの大学・McMaster UniversityKovacevicらによって【筋トレは睡眠の質を高める】という研究結果が報告されたのです。

そもそも質の良い睡眠とは何だろう?

睡眠の質について論じるうえでまず定義づけておかなければならないのは、そもそも何をもって【質の良い睡眠】とするかという事でしょう。

ここでいう良質な睡眠とは【徐波睡眠(じょはすいみん)の多い睡眠】のことです。

※徐波(じょは)とは周波数の低い脳波の一種

それでは徐波睡眠とは一体どんな睡眠状態なのでしょうか???

レム睡眠とノンレム睡眠(徐波睡眠)

徐波睡眠とは深い睡眠状態と言われているノンレム睡眠の一種です。

睡眠は大雑把に分けて2つの種類に大別されており、浅い睡眠の状態を【レム睡眠】、深い睡眠の状態を【ノンレム睡眠】と言います。

上述の徐波睡眠はノンレム睡眠の中でも特に深い睡眠の状態のことであり、【徐波睡眠が多くなる=深く眠れている】ことになります(即ち、良質な睡眠がとれている)

この徐波睡眠は睡眠の初期1/3に多く観察されますが、その量は加齢と共に減少していくと言われています。

筋トレは徐波睡眠を増やす

Kovacevicらによれば、習慣的に筋トレをすることでノンレム睡眠(徐波睡眠)が増加したことが判ったそうです。

深い眠りの状態である徐波睡眠が増加すれば睡眠の質が向上したことになりますよね。

それではどのようなロジックで睡眠の質が向上するのでしょうか???

筋トレは良いこといろいろ

筋トレが睡眠の質を高めるロジックについては以下の通りです↓

①筋トレを行うことで起こる睡眠中の体温の上昇が徐波睡眠を誘発する。

②筋トレによる心拍数の増加が迷走神経を活性化させるため、睡眠時の心拍数が低下し、睡眠の質が高まる

③筋トレは不安を解消させる。

④筋トレは成長ホルモンの分泌を促す。

私の経験上ですが、一日中パソコンに向かっていなければならないデスクワーカーよりも、筋肉的な労働を強いられる土木作業員さんのほうが睡眠に対する悩みが少ない傾向がある気がします。

なお、トレーニングについては負荷を大きく、回数については頻回に行ったほうが睡眠の質を高めるのだそうです。

確かに高負荷なトレーニングを週に何回もやっていたら疲れ果てて眠ってしまいそうですよね・・・(苦笑) 

睡眠の深さと夢の関係

睡眠中に見ている夢についてですが、夢はレム睡眠中に見ているものだとされてきました。

実際に、レム睡眠中は【rapid eye movement】(急速眼球運動)と呼ばれる目の運動が起こっており、大脳皮質は覚醒時よりもむしろ強く活動しているのです。

(筋肉への情報伝達は遮断されているために身体が激しく動いてしまったりすることはない)

しかしながら、最近ではレム睡眠であろうがノンレム睡眠であろうが夢を見ており、その際には脳の後部皮質領域における低周波活動が減少していることが判ってきているようです。

※後部皮質:空間に関する判断や注意力に関係する領域

時代とともに既存の学説が覆されて新たな事実が判明していくことは非常に興味深いですよね。

最後に

筋トレ最高!ということを主張したかったのではなく、デスクワーカーなど職務の遂行上、【動かないのではない!動けないのだ・・・】という方々が増加している現代、運動の量と睡眠の質の切り離せない関係というのはそれなりに深刻な問題であり、課題であると考えます。

アメリカでは社内にジムスペースが設けられている会社も珍しくないのだそうですが、やがて日本もそういった社会へとシフトしていくのでしょうか。昨今のジムブームをみるにそれはそう遠くない未来のことのように思います。

余談ですが、私がインタビューした経験上、女性よりも男性のほうが寝ている時に見た夢の内容をよく覚えている傾向があるように感じています。

女性は男性よりも徐波睡眠が多くなる傾向があるようですが、何か関係あるのでしょうか・・・?

また、私の仮説ですが【見ている夢の内容によって睡眠の深さが測れるのでは!?】と考えています。ようは現実離れした夢を見ている時のほうが深く眠っているんじゃ!?と仮説を立てているのですが・・・。

それは何故か!?ご興味がある方はご来院頂いたときにでもご質問くださいね!