アイスクリーム頭痛

イスクリーム頭痛って皆さんは聞いたことがあるでしょうか?

「何ソレ!?」と思わず声が出てしまいそうですが、たぶん誰しもが体験したことがある”あの頭痛”のことです。すなわちかき氷やアイスクリームなどを急に食べた時に一瞬ズキンとくる頭痛が【アイスクリーム頭痛】と呼ばれるもの。

私は小さい頃に友達とかき氷の早食い勝負とかしたときによく悶絶しておりましたね・・・(苦笑)近頃の子はそういうのはやらないのかな?

そんなアイスクリーム頭痛ですが、なかなかに複雑なメカニズムが働いておりまして、今回はちょっとご紹介してみたいと思います。

アイスクリーム頭痛とは

英語では【Ice-cream headache】(アイスクリーム・ヘッドエイク)と言って、本当にそのまんま【アイスクリーム頭痛】という名称で医学書には掲載されています(正式名称!)。何だかポップな感じでカワイイ名称ですよね(←?)。

この頭痛はその名の通り【アイスクリームやかき氷などの極端に冷たい物を急に摂取した直後に発生する頭痛】です。体験されたことがある方も多いのではないでしょうか?

痛みの継続時間には個人差がありますが、人によっては数秒~数分続く方もいるようで、なかなかにキツイ頭痛です。

アイスクリーム頭痛はなぜ起こるのだろう?

アイスクリーム頭痛の発生機序にはいくつかのタイプがあります。以下にご紹介させていただきます。

【原因1】

冷たすぎるものを食べた時に喉にある三叉神経が刺激されて、冷たさが【痛み】として脳にある三叉神経核に伝達されます。

そのとき三叉神経核に到達した喉からの痛みは沢山の痛み伝達物質を放出するため、この痛み伝達物質が頭の痛みを伝える神経までも刺激し、頭痛を引き起こす原因になるのです。

そのため、喉の中央で飲み込むとこめかみに頭痛が、喉の片側に寄せて飲み込むとその側に頭痛が起こるようです。

【原因2】

冷たいものを食べて口の中と喉が急激に冷却されたときに、反射によって体が体温を維持しようと頭に通じる血管を膨張させるため頭痛が引き起こされます(頭の血管に一時的に炎症が発生するため)。

また、気温や湿度が高いほどに起こりやすいとされています。

上記の2つの原因についてはどちらか片方というわけではなく、両方が要因となり発生していると考えられています。

【その他の原因】

その他の原因として低位咬合症(※)の人が、口の中の冷感刺激による交感神経の緊張により、頭板状筋が締めつけられて頭痛が発生するという可能性も指摘されています。

( ※ 下あごの位置が正常でなく、噛み合わせがうまくいかない状態のことを低位咬合といい、それが原因で引きこされる首や肩のコリ、頭痛、顎関節症などのことを低位咬合症という)

なぜ【冷たさ→痛み】と情報が誤認されてしまうのだろう?

喉の奥の冷たい刺激がこめかみに痛みを生ずるのは【関連痛】(あるいは放散痛)というメカニズムにより説明されています。

そもそも冷たさを伝達するレセプター(受容体)と痛みを伝達するレセプターは別々で、それぞれの感覚は異なったレセプターからの神経線維を経て脳に伝えらています。

しかしながら、痛みと冷たさ(温度)の感覚は同じ神経線維で伝わるため、強い刺激が急に加わったときには感覚信号の伝達に混線が起こるそうです。

アイスクリーム頭痛はこめかみや側頭部に起こることが多いですが、喉からの感覚とこめかみからの感覚はどちらとも脳幹にある三叉神経核という場所を経由して脳に伝達されます。

通常であれば異なった種類の感覚はそれぞれ識別されて脳に伝わっていくのですが、強い刺激が急激に加わると感覚信号の伝達に混線が起こるのだそうです。

すなわち強い冷感刺激によって喉の奥全体が刺激されると、冷たさを痛みとして感じたり、刺激が脳に伝わる途中でこめかみや喉の冷たさがこめかみや耳からの痛みと錯覚されるのです。

このような痛みのことを【関連痛】(かんれんつう)あるいは【放散痛】(ほうさんつう)といって、内臓の痛みを体の他の部位の痛みとして感じる現象として説明されています。

アイスクリーム頭痛を予防するには?

アイスクリーム頭痛を防ぐには、以下のような方法があります。

【予防法その1】

冷たいものは少しずつ食べる

【予防法その2】

冷たいものと暖かいものを同時並行で食べる

【予防法その3】

頭痛が起きた際にはこめかみやおでこに冷たい物を押し付けると納まる

ようは喉や口の中を【急激に冷却しないこと】がポイントになるようです。予防法その3については頭痛になった瞬間にお試しあれ。

アイスクリーム頭痛の意外な活用法

いささか拷問的?といえるかもしれませんが、アイスクリーム頭痛は頭痛のつらさを疑似的に体験できる手段となりえます。

頭痛は自覚症状といって他人には観察できない痛みです。そのため、慢性的な頭痛に苦しまれる方の中には【頭痛の辛さがわからない】という人たちから頭痛の辛さを軽んじられることもあるでしょう。

実際に体験させるか否かは別として【頭痛の辛さ】を説明する時に誰でも経験があるであろうアイスクリーム頭痛を例に出すのはよい手段かもしれませんね。

かたや、アイスクリーム頭痛は片頭痛のある人に起こりやすいという報告があるようです。片頭痛のない人は30%で起こるのに対して、片頭痛のある人では70%に起こるというデータがあるようなので注意が必要です。

また、中学生男子に起こりやすいという報告もあるそうですので、なりやすい人とそうでもない人がいるようです。

さて、いかがでしたでしょうか?季節は既に立秋を過ぎましたがまだまだ暑い日々が続きそうな予感。

皆様どうぞアイスクリーム頭痛と冷たい物の食べ過ぎ&飲み過ぎには気を付けてご自愛くださいね!!!